入浴補助用具にはどのようなものがありますか?

入浴補助用具

入浴補助用具

入浴補助用具とは

身体機能の低下した人が入浴に際して、座位の保持、浴槽への出入りなどの補助を目的とする用具で、介護保険で購入の対象となる入浴補助用具は、入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台(浴槽の縁にかけて利用する台で、浴槽への出入りのためのもの)、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴介助ベルトの7種です。

入浴補助用具の導入における注意

浴槽内いすと浴槽内すのこは、浴槽の深さを調節するために浴槽内に入れて使用します。導入にあたっては浴槽の内寸の確認が必要です。

浴室内すのこは、脱衣所との段差を解消したり、浴槽縁の高さを低くするために用います。ただし、浴槽底と洗い場への出入りがしにくくなる場合もありますので、浴槽内いす等とあわせて検討するとよいでしょう。

浴室全面に敷き詰めるタイプのものは、浴室の形状、面積に合わせてオーダーメイドし納品されるものが主流です。敷き詰める場合は蛇口や排水口の位置関係にも注意が必要です。一枚板のものより、分割できるもののほうが清掃には便利です。ただし細かく分割するとガタツキが出やすくなるので注意が必要です。

介護保険・購入費支給の対象となるもの

介護保険法では下記のように定められています
<入浴補助用具>
座位の保持、浴槽への出入り等の入浴に際しての補助を目的とする用具であって次のいずれかに該当するものに限る。
一 入浴用いす
二 浴槽用手すり
三 浴槽内いす
四 入浴台(浴槽の縁にかけて利用する台であって、浴槽への出入りのためのもの)
五 浴室内すのこ
六 浴槽内すのこ
七 入浴用介助ベルト

浴槽内いす

浴槽内に置いて腰掛けることにより浴槽内の座面の高さを補い、立ち座りを楽にするもの。本体は木製、樹脂製など滑りにくい素材で作られています。吸盤付き、高さ調整機能付きのいすがあります。導入にあたっては、浴槽内の内寸を確認することが必要です。

浴槽用手すり

浴槽の縁を挟んで固定する手すり。
手で持つ部分の向きが浴槽の縁と直角のものと平行のものがあります。取り付け可能な浴槽の縁幅は45mm以上。コーナー取り付けタイプもあります。
導入にあたっては、利用者の体重等による荷重を考慮して選択します。浴槽の材質、縁の幅によっては浴槽の縁が破損する場合があるので注意が必要です。

入浴台

浴槽の縁に掛けて、浴槽の出入りを容易にするものです。板の片側を浴槽の縁にかけ、反対側の脚を洗い場にかけて固定する縁取り付けタイプと、浴槽の両縁に板を差し渡すバスボードタイプがあります。
座面は木製、ウレタン製、プラスチック製など。縁に掛ける方式のものは座面と脚部からなり、脚部で高さを調整できるものがあります。

入浴用いす

シャワーを浴びたり、体を洗ったり、洗髪したりする際に座るいすです。
座面の高さがおおむね35cm以上のものまたは、リクライニング機能をもつものに限られます。
フレームの部分は樹脂、アルミ、ステンレスなど錆びにくい素材となっています。座面の高さを調整できるものもあり、座面は水はけをよくするための穴や溝が施されているものが多くあります。背もたれ付き、座面高さ調節、肘掛け付き、折り畳み可能、キャスター付き、座面回転可能等のタイプがあります。脱衣所と浴室に段差がない場合、キャスター付きのいすを利用すると、脱衣してから座ったまま浴室に入れるので便利です。但し、室内移動をする場合、廊下幅などに留意が必要です。浴室内にすのこを敷いている場合、いすの幅やキャスター部分が隙間に落ちないか確認することも必要です。座面の高さ調整ができるものは入浴台と兼用できる場合もあります。導入にあたっては、利用者の姿勢保持能力を確認し、利用者の体形に合わせて座面の高さ・幅等を考慮して選定します。

入浴補助用具を使うメリット

入浴補助用具を導入するメリットについて確認していきます。

  1. 入浴時の動作が楽
    • 手すりや台、すのこによって浴槽への出入りの際の、足の上げ下ろし動作が軽減されます。関節の可動域がせまくなる高齢者にとっては、わずかな動きにも苦痛を感じることがあります。また足を上げる際に安定感が失われ、恐怖を覚えている人も少なくありません。入浴補助用具を使うことで、入浴時の動作を楽にするとともに、スムーズに入れることで精神的にも好影響を与えます。
  2. 事故防止
    • 入浴時に何よりも避けたいのが、転倒・水没などの事故です。介助する場合でも、滑りやすい床や高すぎる浴槽などでは危険がともないます。介助者まで一緒に滑ってしまったり、無理な介助姿勢になったりするのを回避するためにも、入浴補助用具の適切な導入は有効です。浴槽内すのこや浴槽内いすを使えば、浴槽での水没防止となり、わずかに目を離したすきにおぼれるといった事故を防ぐことができます。
  3. 介助者の負担減
    • 浴室内での介助は蒸し暑さの中でしなければならず、介助者にとっては重労働です。身体がむき出しの状態で、要介護者が転べば大きな事故につながるため、一時も気が抜けません。入浴補助用具の使用で、手すりや高さの調節ができるようになり、体重移動の際の支えが楽になります。安全性が少しでも確保できれば、介助の負担も軽減されます。背もたれのないいすでは落下や後ろに倒れることのないよう、気を付けながら洗わなければなりません。介護に特化した「入浴用いす」であれば、姿勢が保持できて介助者もゆっくりと洗えるようになります。

      生活の中での自由が少ない利用者にとって、入浴は大きな喜びです。安心して入浴が楽しめるようにするためにも、入浴補助用具の導入が役立ちます。