特殊寝台の選び方
特殊寝台
特殊寝台の定義とは?
厚生労働大臣が定める福祉用具貸与に係る福祉用具の種目の一つです。
特殊寝台はマットレスを乗せる床板が背、腰、脚の三部分ないしそれ以上に分かれて動き、背上げ機能を利用して起き上がりを補助するなど、利用者の目的にあわせて姿勢を変えることができるベッドで、ギャッチベッドとも呼ばれています。
ベッドの高さが調整できるタイプは、ベッドでの立ち座りが楽にでき、介助者の腰の負担も軽減できます。手動でレバーを回して調整するタイプ(手動ベッド)、電動モーターによる可動タイプ(電動ベッド)がありますが、現在は電動が主流となっています。
手動タイプは介助者が操作し、電動タイプは利用者本人または介助者が手元スイッチを使用して、起き上がる角度を調節でき、姿勢を変化させることもできます。
介護保険法では下記のように定義されています。
<特殊寝台>
サイドレールが取り付けてあるもの又は取り付けることが可能なものであって、次に掲げる機能のいずれかを有するもの。
一 背部又は脚部の傾斜角度が調整できる機能
二 床板の高さが無段階に調整できる機能
特殊寝台の構造と各部の名称
- ヘッドボード
- 取り外しができ、頭回りの介護やベッドメイキングに便利です。
- テーブル
- ベッド上で食事を摂るときに使用する専用テーブルです。柵の上に渡して使用するものや横から差し込んで使用するものなどがあります。
- ベッドサイドレール
- 布団が落ちるのを防止したり、本人がベッドから転落するのを防ぐために使用する柵です。思わぬ事故にもつながりますので、柵は必ず設置するようにしましょう。
- マットレス
- 介護用ベッドには専用のマットレスを使用しましょう。マットレスは素材がやわらかいものもあれば硬めのものもあります。身体状況に応じたマットレスの選び方は当社スタッフにお任せください
- ボトム
- 背上げや膝上げの際は、この部分がゆっくり上がります。
- フットボード
- 取り外しができ、足回りの介護も容易に行えます。
特殊寝台のレンタル導入における注意
選択にあたっては次の点を確認します。
・ベッドの高さはマットレスを置いた状態で、端座位をとるとき、足裏が床に着き、そのとき膝が90度程度になるように、ベッド全体を調整できること。
・ベッドの長さはベッドの膝の部分を上げたとき、太ももに相当する部分の長さが利用者の身長に応じて調整できるか、あっていること。
・ベッドの幅は通常850mm程度が、介助者の負担は少なくなるが、自分で寝返りができ、起き上がってベッドから出ることができるなら、広めでもよい(900mm以上)。
導入にあたっては、場所をとるため、どのように配置するかを十分に検討します。利用者のまひ等の身体状況はもちろん、トイレや他の部屋への移動などの生活動線や、介助者の動作スペース、リフト・車いすなど他の福祉用具と一緒に利用する場合の配置、操作スペースも考慮します。電動式のものは総重量が100kg以上のものもあり、床の補強が必要な場合もあります。
特殊寝台の選び方
特殊寝台は、自宅での介護には必要な福祉用具です。「もっとも使いやすいもの」を選ぶことをお勧めします。以下のポイントを参考にしてください。
- 特殊寝台のサイズ
- 特殊寝台は、通常のベッドと異なりかなりのスペースを占めるため、寝室にどのように収めるかが最初の問題となります。特殊寝台は、いくつかのメーカーからたくさんの種類の製品が出ていますが、寸法に大きな差はないため、製品の選択によって解決する問題ではありません。介護者が、食事介助や体位変換、車いすへの移乗など、ベッドサイドのスペースが確保できるかを、考える必要があります。また、ほとんどのタイプの特殊寝台は、昇降操作時に足元方向へ10センチ程度、移動しながら昇降するので、その分のスペースも確保しておく必要があります。最近は、標準より幅が広い製品、長さが長い製品も出ていますので、利用する方(要介護者)の体格で選ぶこともできます。
- 特殊寝台の背上げと膝上げの動作
- 特殊寝台の背上げ(背中を起こすこと)を行うと、利用する方(要介護者)の体は、足元の方へずれます。すると、腰からお尻にかけての部分に、擦り傷ができる原因となります。そのため、この動きを抑えるために、膝上げ(膝の部分を立てた状態にすること)ができる製品の方が望ましいでしょう。しかし、利用する方(要介護者)が小柄で、お尻から膝までが短い場合、膝上げを行うと、一番屈曲する部分がふくらはぎの位置になってしまい、足の先が浮いてしまいます。逆に、膝の位置で合わせると、上半身が足元の方へ引っ張られてしまい、体がずれてしまうことがあります。
この場合は、背上げと膝上げが一度に動くタイプではなく、それぞれの操作が別々に行える製品の方が、調整がしやすいでしょう。
- 特殊寝台の背上げ(背中を起こすこと)を行うと、利用する方(要介護者)の体は、足元の方へずれます。すると、腰からお尻にかけての部分に、擦り傷ができる原因となります。そのため、この動きを抑えるために、膝上げ(膝の部分を立てた状態にすること)ができる製品の方が望ましいでしょう。しかし、利用する方(要介護者)が小柄で、お尻から膝までが短い場合、膝上げを行うと、一番屈曲する部分がふくらはぎの位置になってしまい、足の先が浮いてしまいます。逆に、膝の位置で合わせると、上半身が足元の方へ引っ張られてしまい、体がずれてしまうことがあります。
- 特殊寝台のマットレス等付属品の選択
- 特殊寝台は、背上げや膝上げを行う機能がついた本体部分と、その上に敷くマットレスとを別々に選択できます。また、ベッドサイドに取り付けるサイドレール、テーブル、スライディングボードやスライディングマットなど、いくつかの付属品も併せて利用できます。
機能を活用してできること
利用者 | 介護者 | |
背上げ機能 | ベッドの背が上がり、起き上がり動作を助けてくれます。お好みの角度に調整することができ、楽な姿勢をとることもできます。 | ベッドの背を上げることで簡単に利用者を起こし上げることができます。食事介助や車いすへ移乗させる時にも便利です。 |
高さ調整 | 立ち上がりやすい高さに調整することができます。就寝するときは万が一の転落に備えて、高さを低くしておくと安心です。 | 不適切な高さで腰をかがめながら介護をすると腰を痛めてしまいます。介護をしやすい高さに調整し腰痛を予防しましょう。 |
膝上げ機能 | ベッドの背を上げると、どうしても足側へ体がすべってしまいます。このようなときには、背を上げる前に膝を少し上げておくことで、すべりの防止になります。また、足のむくみ対策としても活用することができます。背と膝が連動し、同時に上がる機能もあります。 |
特殊寝台に関するお問い合わせは
お電話(048-994-2039)、またはお問い合わせフォームに必要事項を入力の上、送信して下さい。
どんなことでも遠慮なくお問い合わせください。